イラストと写真とポートレートの話

珍しくカメラの話をしようと思います。
ここ最近、友人の結婚式へ赴いた関係でポートレート(人物撮影)についてアレコレ調べました。これまで風景ばっかりだったので、色々と新しい発見もあり、またこれまで写真とイラストの相関性的な面に関してもひとつ理解が深まったので個人的な忘備録も含めて書き残しておこうかと。
今回書こうと考えている内容を箇条書きにすると

・広角と望遠の違い
・人物撮影に適している理由
・写真とイラストの相関性

です。まだまだ理解が浅く、まとまりの無い文章になるとは思いますがご容赦を。


ではサクッと内容に移りましょう。
広角と望遠の違い。まあぶっちゃけ、画角ですよね。広角は視野が広く、望遠は狭いが遠くのものを近く撮れる。そのままです。
ここで言及したいのは『圧縮効果』と呼ばれるものです。この概要については各自ググってください。
まあ一言でいえば「被写体とその奥にある背景の距離が縮まったかのような画が撮れる」ものになります。

これが広角24mmで撮ったものになります。

んでこっちが望遠200mmで撮ったもの。上と比べて背景の広がりが薄く、奥の半島が拡大されたような画になってるかと思います。これが『圧縮効果』と呼ばれるものです。
過去の写真から適当にチョイスしたものなのであんまり適当じゃないけどごめんなさい。ちなみに被写体はベビードラゴンちゃんで、首里城売店で購入できますヨ。

さて。とりあえず『圧縮効果』というものが何か、ニュアンスは掴んで頂けたと思います。
ここで勘違いしやすいのが「圧縮効果は望遠レンズを使わないと得られない」というものです。僕もそう思っていた時期がありました。
が、実は全くもってそんなことはありません。圧縮効果に必要なのは被写体との距離であり、レンズの焦点距離は何ら影響を及ぼしません。
残念ながら今までに圧縮効果を紹介するページは多数あれど、圧縮効果の原理原則について触れたページを見つけるに至っておりません。なので何一つ確かなことは云えませんが、おそらく圧縮効果は『撮影者と被写体(近影)、及び背景(遠影)の相対距離』が深く関係しているように思います。

概略図となります。上では撮影者-近影-遠影が10-100であり、比は1:10となります。ですが下では1000-100であり10:1となります。だから何だって云われそうですね。説明します。
上では、撮影者にとって近影は「近い」であり、遠影は「ちょっと遠い」としましょう。しかし下では近影も遠影も「遠い」になります。
また同時に、上の場合近影は「大きく」撮れますが、下では「小さく」なります。同じレンズを使っていれば当たり前ですよね。このとき、上の場合だと遠影に比べ近影はかなり大きく撮れますが、下になると近影と遠影の差が少なくなります。言い方を変えれば「近影に対し遠影が大きく」なります。別に「遠影に対し近影が小さくなる」でもいいですけどね。
以上のことから、近影から離れれば離れる程圧縮効果が大きくなることが、イメージとしてご理解頂けるかと思います。繰り返しますが正しい書籍や何かを参考にしている分けではなく、あくまで妄想です。決して信用しないで下さい。

さてさて。圧縮効果の話が落ち着いたところで、次は広角の話をしておかねばなりません。上記の話から繋がりますが、逆に近影へ近づけば近づく程、近影は大きくなります。当たり前ですよね。
そうなってくると圧縮効果に相対し『パーススペクティブ』なるものが出現します。『パース』という単語だけなら絵描きの方々は耳にしたことがあるのではないでしょうか。また後で絵との話でも触れますが、とりあえず『パース』が生まれる点について。

まずはこれ。90mmくらいで撮った狛犬さん。

こっちが24mmで撮ったやつ。近い、近いよ狛犬さん。
これもちょっと作例が良くないかもしれないけど、下の写真やたら顔でっかちにみえませんか? 写真に収まってるサイズは同じくらいなのに。これがパース。近くの物を大きく、遠くのものを小さくみせる現象ですね。遠近法なんて言い方されますね。
パースは「近影に近く寄った時にできる」ということです。望遠のレンズでパースがでにくいのは、広角の画角が無いとパースが出るまで寄ってもパースの部分が画面に入ってこないから、ってことですね。
ま、パースに関しては見かける機会多いだろうから、これくらいで。ともあれ「離れたら圧縮効果、近づいたらパース」ってくらいで憶えておいて頂けたらと。


次。
よく90mmのレンズはポートレートに適している、なんて云われますが、なかなかどうしてその理由を言及している記事って少ないのね。無いわけじゃないけど。
理由はすげー簡単。ようは上の記事で9割説明終わってるけど、パースがつかないからなんだよね。上の狛犬さんでもそうだけど、人間を画面一杯に写そうとして広角レンズで近くに寄って撮ったら、あーゆー風に顔でっかちの脚短い、みたいなパースのついた画になるんだよね。
人物撮影はパースつけないほうが綺麗にみえる場合が多い。だから90mmくらいが一般的に推されてるんだと思います。
が、別にこれが全てって訳じゃあない。パースついた画が欲しいなら広角使えばいいし、背景から浮かせたいしスラっと撮りたいなら望遠。要は焦点距離とその意味を知っていれば思いのままってことさ。


さてさてさて。
長い前置きを乗り越えて、ようやくイラストと写真の相関性にたどり着きました。
が、基本的な説明は圧縮効果とパースの項で話しきった上に、先人が詳しい解説をしているので『イラスト 圧縮効果』でググってみるととても良いページがみつかるよ。
なので僕は補足事項的な感じで書き連ねようと思う。
てゆーか、まあ、僕は「圧縮効果とパース、つまりは望遠としての画、広角としての画を理解する」という観点を得た上で漫画の画面づくりをしていくときっと面白いんだろうな、と思ったので今回の記事を描くに至った訳です。
今の知識を持って手元にある漫画を開いてみてください。「あ、ここは望遠(圧縮効果)で表現してるんだな」とか「へーこのシーン広角だからパース効いてるんだな」みたいな発見が非常にあると思います。
「だからなに??」と云われるかもしれませんね。すみません。しかし「どうして作者はこのシーンを望遠or広角で表現したのだろう」という観点で考えることができれば、自分がシーンを描きたい時に望遠にするか、広角にするか、といった選択が可能になるかと思います。
望遠、広角によって読者へ与える印象は大きく変わると思われます。これは受け売りですが、バトルシーンなどは望遠表現のほうがスピード感や迫力を出しやすい、なんて云われるそうです。広角は大胆な場面や印象づけたい時に有用なんじゃないでしょうか。アオリやフカンを描く時も、肩に比べ頭が大きくなって脚が小さくなっていればそれは広角表現でしょうし、等倍なら望遠表現となり視点の位置が異なることを暗示できます。
まだまだ僕もようやくここに至ったばかりであり、これから研究を重ねなければならないのでこれ以上詳しいことは云えませんが、絵づくりにおいて圧縮効果、パーススペクティブは大きな意味を持っていることは明らかです。
ま、そんなことはお絵かき教本で散々云われてるけどね\(^o^)/ 今回はあくまでカメラ、写真と絵の相関性、という視点でのお話だったのでご愛嬌の程をば。



余談ですが、人間の目は50mmくらいだって云われてますね。参考までに。
以上となります。内容間違ってても許してね/(^o^)\
さあ君もカメラ片手にお出かけしようじゃないか。